呉市立美術館
近現代の美術作品を所蔵し特別展も開催|呉市立美術館

開館時間

●10時〜17時
(入館は16時30分まで)

休館日

●毎週火曜日
(火曜が祝日・振替休日の場合は、その翌日)
●年末・年始(12月29日〜1月3日)
※展示替え等で臨時に休館する場合があります
 
は休館日
 
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高校生キュレータークラブ 令和元年度活動報告

呉市立美術館では、平成28年度より育成事業のひとつとして、美術館の活動や学芸員の仕事に関心のある市内の高校生・高等専門学校の学生を対象に、「高校生キュレータークラブ」活動を行っています。今年度は17人の若者たちが、当館学芸員の指導のもとで、美術館通りの野外彫刻作品(19点)について調査研究を行い、市民や観光客の方々に作品を紹介するパネル展示コーナーを別館ギャラリーに設置するという課題に取り組んでいます。最終回では、各自が担当作品を解説するギャラリートークにも挑戦する予定です。毎回学生たちによる活動報告を美術館のHPに順次掲載し、活動内容をご紹介していきます。彼らの学習の成果にご期待ください!



7月20日第1回高校生キュレータークラブ活動内容

1.開催のあいさつ(館長)
2.自己紹介/オリエンテーション
3.講義:呉市立美術館の概要と学芸員の仕事について
4.特別展「クレパス画名作展」鑑賞(ギャラリートークに参加)
5.講義:野外彫刻作品の概要
6.野外彫刻ツアー


(呉三津田高等学校 1年生 高橋)
 始めに、参加者全員の自己紹介、学芸員による呉市立美術館の紹介、キュレータ−についての説明などが行なわれました。キュレーター(学芸員)の仕事は展示だけでなく、美術品の収集・保存・調査研究など、幅広い分野を担っていることが分かりました。次に、開催中の特別展「クレパス画名作展」を鑑賞し、学芸員によるギャラリートークを聞きました。中でも個人的に好きになった作品は、寺内萬治郎が描いた《緑衣の婦人像》です。まるで写真で切り取ったかのような、クレパスで描いたとは思えない色遣いで髪や肌が描かれており、女性の顔の表情や雰囲気からも様々な想像力をかき立てられ、とても情緒のある作品だと思いました。最後に、普段あまり立ち止まって見ることのない野外彫刻作品19点を一体ずつ説明を聞きながら、実際に見て回りました。今年度新しく出来たばかりの作品や、人気のキャラクター「せんとくん」の作者が作った作品などもありました。どの作品にも形や材質に作者の個性や工夫が見られ、改めて美術作品のすばらしさや奥深さに気付かされたような気がしました。
 第1回目の活動を通して、以前から好きだった美術鑑賞がさらに好きになり、今後の活動でもっと新しいことを知っていきたいと感じました。次回は野外彫刻の中で担当する作品を選び、作品や作者について調べていきます。作者の人生や考え方は制作に大きく影響していると思うので、調べていくことが楽しみです。
                                       

(呉三津田高等学校 1年生 岩永)
 「クレパス名画展」鑑賞 : クレパスによる数々の作品を鑑賞しました。「子供が使う」というイメージのあるクレパスですが、いろんな画家によって立派な画材へと変貌していました。「え!これほんとにクレパスで描いたの!?」というものばかりで、見るだけでも楽しかったです。帰ったら机の奥のクレパスを引っ張り出して描いてみようとわくわくしていました。
 野外彫刻の調査 : 私も何回か美術館前の通りを歩いたことがありますが、野外彫刻の存在にあまり気づけませんでした。あんなに数があったなんて…。実際に外に出て見てみると、「意外と大きいな」とか「こんなに大きいのに今まで気付かなかったんだ…(『天の小さな柱(鴎よ!)』を見た時です)」などと、いろんな感想を持ちました。なかには、作った人が何を考えていたのかわからないものもありましたが、それも美術鑑賞の良いところだと思います。これから作品について調査して、自分のお気に入りのものを見つけられたらと思います。



                                      

8月3日(土)第2回高校生キュレータークラブ活動内容
1.野外彫刻作品の担当者選定
2.野外彫刻作品の調査・研究(調書作成)
3.野外彫刻作品の調査・研究(資料調査)

(呉宮原高等学校 1年 崎山)
今回の活動では、始めに野外彫刻の中で各自が解説を担当する作品を選び、その作品を実際に調査しました。作品の観察を通して、形や色、質感、見たときの印象、特徴などを知り、自分の気に入った部分を見つけることができました。しかし、見つけることは出来ても、それを言葉で表すのはとても難しく、なんと書いていいのか分かりませんでした。
そして、作品を見た後は、それぞれが担当する作品や作家について文献で調べました。私が選んだ作品は、水船六洲の《斧》です。作者が呉市出身であることや、木彫の他に版画の制作も得意としていたこと、また作者の興味が初期の写実的な外形解釈から、後年は自身の造形意図を具象化する形象へと向かったことなど、作者の人生や創作について知りました。
今回の作品調査をもとに、次回(8/25)は作品解説を書きます。作品の見どころや作者の工夫などを相手にちゃんと伝えられるような文章を書きたいと思います。

高校生キュレータークラブ 平成30年度活動報告

呉市立美術館では、平成28(2016)年から、「高校生キュレータークラブ」という活動を始めました。美術や美術館に関心のある高校生が約1年間、ほぼ月1回のペースで集まり、美術館の仕事を学び、体験します。
今年の活動は、8月26日(日)の入船山夏祭りにおける野外彫刻解説ツアーと、来年1月4日(金)から3月24日(日)にかけて開催するコレクション展掘峩薪擇虜邁箸燭繊廚隆覯茵Ρ娠弔瞭鵑弔目標です。
5月に参加者を募集したところ、今年は呉宮原、呉青山、清水ヶ丘、熊野の各高等学校と呉工業高等専門学校から20名の生徒さんの応募がありました。7月の豪雨災害により、被災された方もあり、また、学校行事にも様々な影響がありましたが、そのような中でも、軌道修正しながら活動を続けています。
活動を開始してから3カ月が過ぎました。これまでの、活動状況を報告します。



6月17日(日)
初回会合を開きました。呉市立美術館や学芸員の役割や仕事について、担当学芸員がレクチャーし、展示室やバックヤードなどの美術館内、野外彫刻が立ち並ぶ美術館通りを見学しました。また、次回までに今年度の高校生キュレータークラブのシンボルマークをデザインすることを課題としました。参加19名。


7月14日(土)
豪雨災害直後のため、会合を中止しました。



7月28日(土)
各自がデザインした高校生キュレータークラブのシンボルマークを持ち寄り、参加者の互選により、今年度のシンボルマークを決定しました。そして、コレクション展靴僚猗のため、担当学芸員が当館所蔵作品に含まれる郷土作家(呉市にゆかりのある美術作家)と作品について情報提供しました。参加7名。
シンボルマークは呉青山高校1年生の森本さんのデザインに決定。呉市の花・椿、美術館外壁の六角煉瓦(青は瀬戸内海の色)、煉瓦敷きの美術館通りを組み合わせたデザインです。



8月18日(土)
入船山夏祭りの準備のため、野外彫刻について学芸員から説明を受け、それぞれが解説を担当する作品を選定しました。(コレクション展靴僚猗も進めたかったのですが、担当学芸員が怪我のため出席できず、断念しました。)参加6名。



8月25日(土)
翌日の野外彫刻解説のため、解説原稿を作成し、担当学芸員が校正しました。参加3名。



8月26日(日)
入船山夏祭り当日。お祭りは午前10時に新原呉市長の挨拶で始まり、続いて、高校生キュレーターによる野外彫刻解説ツアーが10時10分から開催されました。約1時間かけて9名の高校生キュレーターにより全18体の野外彫刻を解説しました。呉市長ほか、道行く人々が高校生キュレーターたちの新鮮な解説を楽しみました。この日の入船山は、音楽あり、美術あり、グルメあり、ゲームありの盛沢山な1日でした。参加9名。



9月15日(土)
しばらく休止していたコレクション展靴僚猗を再開しました。この日は少人数のグループに分かれて、各自が好きな作品、気になる作品など、展示作品について、ブレーンストーミングしました。それぞれに個性あるチョイスが見られました。この日の意見をもとに、展覧会のイメージを固めていく予定です。参加8名。




10月20日(土)
前回の話し合いをもとに、学芸員がコレクション展靴療玄┘螢好箸氾玄┘廛薀鵑琉討鮑鄒して示しました。そして、それぞれの高校生キュレーターが解説を担当する作品を決め、解説原稿は作品を選んだ第一印象を大切に、作品をよく観察して作者のメッセージを自分なりに理解して、作成することを申し合わせました。様々な作品が展示される展覧会なので、多様な作品が生まれた背景として、学芸員が日本近代美術史についてざっとレクチャーしました。参加13名。





11月17日(土)
解説を担当する作品を美術品の収蔵庫内で実見しました。美術作品は大きさ・質感・タッチなど本物を見ないとその良さが実感できません。あわせて、美術品を保管する際のIPM(害虫や黴など生物被害の防止活動)などの取り組みや温湿度管理など、美術館の仕事について学びました。その後、各自の作品解説を執筆しました。参加10名。

12月15日(土)
前回からこの日までに高校生キュレーターの原稿を学芸員が校正して執筆者と意見交換し、原稿をほぼ固めました。そして、原稿をもとにギャラリートークの練習をしました。スライドで担当作品を写しながら、シミュレーションするのですが、大きな声でゆっくりと、お客様に伝えたいことが伝わるように心がけることを申し合わせました。参加5名。




1月9日(水)
この日は呉市広報番組「こちら!くれきん新聞」を収録するため、放課後に参加できる高校生キュレーターだけが集まりました。緊張しながらも、それぞれが役割を果たし、17:30頃無事撮影が終了しました。2月1日(金)夕方に放送されました。参加7名。






1月26日(土)
コレクション展掘峩薪擇虜邁箸燭繊廛ャラリートーク本番です。14:00からの本番に備え、13:30からリハーサルしたのですが、できたのは5名だけ。他の人はできた人たちの体験を自分の体験として心の準備。本番はリハーサルよりも声の出し方、話し方がしっかりして、良いトークになりました。当日は雪にもかかわらず、7名のお客様が高校生キュレーターのギャラリートークを楽しみました。その中にはお忍びでご来館の新原呉市長の姿も。参加12名。




2月9日(土)
コレクション展掘峩薪擇虜邁箸燭繊廚2回目のギャラリートークを開催しました。学校の試験などの関係で、参加した高校生キュレーターは前回より減りましたが、学芸員が欠席した高校生キュレーターの解説を紹介しつつ、進めました。ギャラリートークを聞きにご来館いただいたお客様は13名。若者たちの様々な作品の見方を楽しんでいただきました。この日をもって、今年度の高校生キュレーターの活動を終了しました。参加5名。



活動を終えて
昨年6月から続けてきた平成30年度高校生キュレータークラブの活動は2月9日(土)のコレクション展靴離ャラリートークで終了しました。
今年度は7月の豪雨災害の影響で、予定した活動をすべて行うことができませんでしたが、参加した高校生キュレーターの皆さんからは次のような感想が寄せられました。
来年度はこれらの感想や意見を参考にしつつ、より充実した活動を目指したいと思います。
参加したメンバーの皆さん、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。

《全体の感想》
「初めての体験ばかりで驚くことが多くとても貴重な体験だった。」
「今まで意識してこなかった感性が培われたような気がする。」
「美術作品に対する関心が以前よりも高まった。」
「今年一年芸術作品と触れ合ってみて、もっと深く知ってみたいと思うことができ、実りのある一年だった。」
「作品を制作することは好きだったけれど、他の人の作品をじっくり見たり、感想や解説を考えることはあまり無かったので、そのような事を色々と体験できて楽しかった。」

《印象に残ったこと・楽しかったこと》
「美術館での仕事や作品、作者のことなどを知ることができてとても良い活動だった。」
「美術館の裏側を知ることができたのはすごく良かった。」
「美術館の作品倉庫で実際に絵を近くで見ることができたのは良い経験だった。」
「美術品の取り扱いや保存、運搬などの注意事項を学ぶことで、美術の繊細さを知ることができ、人の手で作られたものは人の手なくしては存続し続けられないんだと、今の時代にも残っている作品の偉大さを実感できた。」
「身近な呉の作家の作品などに触れることができて充実した活動ができ、うれしかった。」
「呉の画家のことを深く知ることができ、日本や海外の絵画の特徴や時代によって変わる絵画を知ることができた。」
「地元の画家や作品に身近に触れることのできる機会は学校の美術の時間にはなく、とても新鮮だったい。」
「自分たちの住んでいる呉の街でかつて活動していた人の作品はほとんど触れたことがなく、凄く新鮮だった。当時の呉の街の様子や時代背景から作品の考察をしたり、作者の表現を様々な角度から理解しようと考えた。」
「作品を実際に生で見て、皆で感想を言い合うことで客観的な意見を知ることができて考え方が広がった。」
「同じ学校の人とも違う学校の人とも会話をする機会があったので、より楽しく活動をすることができた。」
「これからも、時間があるときは美術館に足を運んで展示を見に来ようと思う。」
「今後も地元の美術作品に親しんでいきたい。」
「呉市の美術作品をもっと調べてみようと思った。」

《ギャラリートーク(作品解説)について》
「昨年度から参加して、前回悔いの残ったギャラリートークの結果を今回リベンジすることができた。」
「自分たち素人にギャラリートークの機会を設けていただいたことは大きな成長につながったと思う。」
「作品解説では皆さんの前で話すというなかなかすることのできない経験を得て、とても自分のためになった。」
「作品を見学しに来られた方に作品解説をすることができたという安心感と達成感を得ることができた。」
「相手の目を見て、自分の言葉で説明したり紹介したりすることは、これからの将来でも必要になると思うので、今回の作品解説は本当に良い経験になった。」
「野外彫刻もコレクション展の説明も上手くいかないところだらけだったけど、楽しかったし、今後美術をやっていくうえで参考になった。」
「作品解説を聞いて同年代の他の人の意見を知ることができて、勉強になった。」

《キュレータークラブでやってみたかったこと、やってみたいこと》
「昨年度行った野外彫刻の清掃活動は達成感があったので、今年度もやりたかった。美術品の維持管理の方法や大変さがわかり、学芸員の仕事を体感できるキュレーター活動だったから。」
「高校生キュレーターは学芸員よりも年齢が近いので、子どもたちが楽しめるイベントの企画に参加すれば面白いシナジーが期待できるかもしれない。」
「パネルづくりやインターネットへの活動報告などもっといろいろな活動がしたかった。」
「他校の高校生キュレーターたちともう少し交流を深めたかった。」
「クラブのみんなで親睦会や作品の展示をしてみたかった。画家のセミナーも聞いてみたかった。」
「全員での創作、画家の聖地巡り、呉市の振興に関わることがやってみたかった。」
「自分たちでイラストを描いて展示したり、実技の機会があってもいいかなと思った。」