呉市立美術館
近現代の美術作品を所蔵し特別展も開催|呉市立美術館

開館時間

●10時〜17時
(入館は16時30分まで)

休館日

●毎週火曜日
(火曜が祝日・振替休日の場合は、その翌日)
●年末・年始(12月29日〜1月3日)
※展示替え等で臨時に休館する場合があります
 
は休館日
 
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コレクション展
呉美の陶芸作品そろい踏み again 

2023年4月22日(土)〜6月11日(日)

呉市立美術館が誇る近現代の個性豊かな陶芸作品たちの晴れ姿を
ご覧あれ!
本展は令和3年度にコロナ禍により中断を余儀なくされたコレクション展兇離螢丱ぅ丱覺覯茲任后
今回はお見逃しのなきよう!

呉市立美術館は陶芸作品をコレクションの一つの柱としています。その発端は1985(昭和60)年開催の「新しい造形への招待 現代のやきもの展」にあります。「装飾と造形」という陶芸における二大要素をテーマに、20名の新進陶芸家に出品を依頼し(うち16作家の作品を収蔵)、多様な現代陶芸の諸相を紹介し、意欲的な企画として高く評価されました。
以来、個性豊かなコレクションを形成してきたところです。本展では、「装飾と造形」をベースに、「彫刻と陶芸」「伝統と革新」などの視点から、富本憲吉、加藤卓男、三代徳田八十吉、森野泰明、柳原睦夫、中村錦平、西村陽平ほか25名の作家の作品50余点により、当館陶芸コレクションのエッセンスを展覧します。
本展は新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言のため、開幕後2週間であえなく休止した令和3年度コレクション展兇離螢丱ぅ丱襪任后せっかくの手塩にかけた企画であり、当館陶芸コレクションの全貌を紹介する貴重な機会です。ぜひ、この機会に近現代陶芸の百花繚乱とも言える精華をお楽しみください。今回はお見逃しなきよう。

会期2023(令和5)年4月22日(土)〜6月11日(日)
開館時間午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日火曜日
入館料一般300円(240円)・高校生180円(140円)・小中生120円( 90円)
※( )内は20名以上の団体料金。広島中央地域連携中枢都市圏(呉市、竹原市、東広島市、江田島市、海田町、熊野町、坂町、大崎上島町)に在住の高校生以下、呉市在住の70歳以上の方、はたちのパスポート、障害者手帳等をお持ちの方は無料(要証明書)。くれフレンドリー(友の会)会員証をお持ちの方は団体料金。
主催呉市立美術館、呉市、(公財)呉市文化振興財団

関連イベント

ワークショップ「陶芸でいろいろな形を作ろう!」
※要事前申込

講師の岩本道明先生
ワークショップでの作例1
ワークショップでの作例2
陶芸は粘土で形を作り、高温で焼き固めて作品を作る芸術です。粘土は可塑性(かそせい)に富む(様々な形を作ることができる)優れた素材。講師の手ほどきで、粘土でお碗、お皿、動物のオブジェなど自分が作りたい形を作りましょう。形が出来上ったら講師が持ち帰り、焼いたり色をつけたりして、仕上げます。仕上げには、約1カ月かかりますので、作品は後日、着払いでお届けするか、当館でお渡しします。

講師:岩本道明 (陶芸家)
日時:5月20日(土) 13:30〜15:30  
会場:呉市立美術館 別館ミニギャラリー(呉市立美術館本館向い)
対象:どなたでも(小さいお子様は保護者同伴)
定員:15名    
参加料:お一人2000円(入館料を含む) 
申込:5月10日(水)までにお電話(呉市立美術館 0823-25-2007)またはこちらの申込専用フォームでお申し込みください。定員を越えた場合は抽選させていただきます。

講師の岩本道明先生は、呉市出身で京都精華大学で陶芸を学び、日本の歴史的窯業地である滋賀県信楽町や三重県伊賀市で腕を磨きました。1997年から呉市川尻町で陶器制作工房「岩屋工房」を営んでいます。毎年制作する干支(えと)の箸置きも人気を呼んでいます。
 

ギャラリートーク

担当学芸員が展覧会の見所を解説をします。会場は展示室内。事前申込・参加料は不要ですが、ご参加には入館券が必要です。
日時:4月29日(土・祝)、5月13日(土)、6月3日(土) 各日11:00〜(約45分)

招待展示 小企画 岩本道明 展 − the moment 作品との出会いの瞬間 −

岩本道明《ヒトのカタチ》2022年
このたび、令和5年度コレクション展機峺眸の陶芸作品そろい踏み again」展開催にあわせて、陶芸家・岩本道明氏を講師としてワークショップ(5月20日・土曜日)を開催する機会を捉え、呉で創作する岩本氏の作品を紹介する小企画展示を設けました。地元ゆかりの現代陶芸作品をお楽しみください。

「壺や花器などの『フクロモノ』と呼ばれるうつわをつくるとき、襟のあるカラダに思えてきます。
ココに顔をつけるとどんな表情なのだろう、という興味がきっかけで、ヒトのカタチを制作しています。
コロナ禍の最中に進めていった人物モチーフ作品。
つくり手の感情を表情にのっけてつくっています。」 岩本道明

展示構成

日本陶芸の歴史は、16,000年前の縄文時代に作られた世界最古級の土器「縄文土器」に遡ります。
縄文土器は、壺、鉢、甕(かめ)など食料の保存や煮炊きの用具として使われたほか、土偶(どぐう)(人形(ひとがた)の土器)は精霊が宿る偶像として豊穣や多産、安泰などの祈りの対象となり、人々の心身両面を支える必要不可欠なものでした。また、桃山時代には喫茶の用具である茶陶に人間精神が表象されるようになりました。このように、日本において陶磁器は人々の生活と精神の両方に深く関わりながら制作され、その長い歴史の中で育まれた美意識や様式の多彩さは世界的にも例がないほどです。
特に芸術における、思想、感情、個性の表出を重視する近代以降では、陶芸を自律した芸術領域として独自性を確立しようとする志向が強められ、さらに多彩さを増していきました。柔軟で可変の「土」が「火」と出会う(高温で焼成される)ことにより、全く異なる物質である堅固で恒久の「陶(とう)」に変容する過程に触発され、さらに、土や火そのものに着目して、焼かない土を素材とするアンファイア(unfire)、土以外のものを焼くファイアイング(firing)など、表現のあり方が一層広がっていきました。
本展では、当館が所蔵する近現代の陶芸作品50余点を「呉美(くれび)の陶芸作品(やきもの)そろい踏み」として「造形vs装飾」「陶芸vs彫刻」「革新vs伝統」の三部構成でご紹介し、百花繚乱とも言える近現代陶芸の一端をご覧いただきます。

造形 vs. 装飾 −富本憲吉と教え子たち−

和太守卑良《彩土杉文器》1981年
柳原睦夫《空の記憶》1977年
瀬戸 浩《灰釉銀ストライプ壺》1985年
陶芸家・富本憲吉((とみもとけんきち)(1886-1963)は、既存の形式や職人的な技巧を脱して、個性による独創を説き、絵画や彫刻に比肩する芸術として、陶芸の近代化を導きました。
独学で陶芸を学び、従前は分業されていた陶芸の制作工程(粘土成形から絵付け、焼成まで)を作家が一貫して手掛けることを重視しました。戦後は、いち早く京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)で学校教育により陶芸を教授し、多くの優れた陶芸家を育てました。
富本は、「壺は形にあり」「陶芸は究極の抽象造形」と考え、陶芸制作の基礎として「形(造形)」の重要性を説き、既存の約束事に囚われない白磁壺を創作。一方、「模様から模様をつくらじ」と、既成の模様を参照せずに自然の観察に基づく独自の模様を追求し、四弁花文や羊歯文など器表に沿う文様を創案。文様と造形の調和を唱えました。
本章では、「造形(形)」と「装飾(模様・文様)」という陶芸を構成する二大要素に注目し、富本憲吉とその弟子たちの作品により、その調和や対立、相乗効果など様々な表現のあり方をご覧いただきます。

陶芸vs.彫刻 −走泥社(そうでいしゃ)の系譜 彫刻からのアプローチ−

林 秀行《鳥の談笑》1983年
三代宮永東山(理吉)《立方体に参加する八つの直方体》1975年
 
石山 駿《痴絵図閨夢(チェスゲーム)》1977年
第二次世界大戦後、美術界は新しい時代の芸術の創出に向けて熱気がみなぎり、ジャンルを超えて美術思潮を共有し、活動の交流が行われました。
陶芸界では、思想表現への意欲が高まり、用途を捨てた純粋造形としての陶芸「オブジェ焼」が創出されました。中心となったのは、八木一夫(やぎかずお)、鈴木治(すずきおさむ)らによる京都の陶芸家集団・走泥社(そうでいしゃ)(1948-1998)。彫刻とは異なるオブジェ焼の特質を「陶器の中は空ろ」であることなど「土→成形→焼成→陶」という焼き物のプロセスに沿って思索し、焼き物ならではの独自性と表現の可能性を探求しました。
一方、彫刻界においても、イサム・ノグチのテラコッタや辻晉堂(つじしんどう)による陶彫(とうちょう)など、様々な造形素材の一つとして陶土が採用されるようになりました。陶芸家が焼き物のプロセスに沿って制作するのに対して、彫刻家は目指すイメージに素材(陶土)を沿わせて制作する点で異なります。
辻晉堂(1910-81、京都市立美術大学彫刻科教授)と八木一夫(1918-79、同科講師)が高め合ったように、正反対の造形理論を持つ陶芸と彫刻も刺激と影響を与え合いました。

革新vs.伝統 −日本工芸の二大潮流 日展系と伝統工芸展系−

財満 進《風のトルソー》1989年
古庵千恵子《聴く》2005年
黒川清雪《砕氷文青磁花入》1980年
現代日本の工芸は日展系、日本伝統工芸展系という二大潮流によって牽引されてきたと言うことができます。
日展(日本美術展覧会)の工芸は、戦前の无型(むけい)、実在工芸など工芸を芸術として自立させようする革新運動をルーツとし、個性的な芸術意欲の表出を重視したことから、芸術至上主義的傾向が日展の特色となっています。工芸分野では光風会や現代工芸美術家協会などが傘下にあり、特に後者は芸術志向の旗色を鮮明に1961年に設立されました。
一方、文化財保護の視点から1954年に伝統的工芸技術の保存と普及のために「日本伝統工芸展」が創始され、同年、技術的完成度を第一に芸術性をも重視した重要無形文化財(人間国宝)認定の制度が生まれました。
以来、革新と伝統という異なる視点から工芸美術の向上が競われましたが、工芸は素材を扱う技術力の、創造に占める比重が大きく、両者は根っこの部分で繋がっています。
このほか、本展にてご紹介してきた多様な価値観からの工芸(陶芸)へのアプローチが、この分野に豊かな実りをもたらしてきたことをご実感いただけたら幸甚です。

※ 開催内容に変更が生じる場合があります。最新情報は当館HPまたはTwitterでご確認ください。